厚生労働省は7月9日、介護職員が2025年度に約243万人、40年度に約280万人必要になるとの推計を発表した。19年度の介護職員約211万人と比べると、25年度は約32万人不足しており、毎年5万3000人増やしていく必要がある。40年度は約69万人足りず、毎年3万3000人確保する必要がある。
推計は市町村の第8期介護保険事業計画(21~23年度)に基づいて都道府県が算出した介護職員の必要数を集計したもの。
都道府県別にみると、東京都は19年度の介護職員18万3000人に対し、25年度は22万3000人必要で、4万人足りない。一方、福井県は全国で唯一、25年度の必要数を満たしていた。19年度の介護職員1万3600人に対し、25年度は1万2600人必要と推計された。
今回の推計で改めて将来の介護需要に対する介護職員の確保が間に合っていないことが浮き彫りとなった。
厚労省は、処遇改善加算による介護職員の賃金増、介護ロボット・ICT(情報通信技術)を活用した生産性の向上、中高年齢者らの多様な人材の受け入れを推進してきた。また、今年度、未経験者が介護分野に就職すると支援金20万円を支払う事業なども新設した。厚労省の担当者は「人材確保対策を推進していく」としている。
なお、推計とは別に19年4月に始まった「特定技能」では、介護分野で最大6万人(5年間)の外国人労働者の受け入れを見込んでいる。